……ははは!校長先生は冗談がお上手ですね!!
生徒会入れ替え大会だって?なぁにを無茶な。
今は6月ですよ?まだ前期の生徒会メンバーが決まったばっかじゃないですかい。


「ルールは簡単だ。
現生徒会長と、生徒会長立候補者全員と知能対決。
現副会長と、副会長立候補者全員とビジュアル対決。
現書記2人と、書記立候補者全員と字の上手さ対決。
現会計と、会計立候補者全員と暗算対決。

議長と副議長はどーでもいーや」


あー…校長先生?
アナタ様はほんとに校長先生?
言ってる事無茶じゃね?
つーか、副会長のビジュアル対決ってなーによ。滝夜勝っちまうじゃねぇか。


「校長先生、お言葉ですがちょっと無茶な気が…」

「どこが無茶だい?
面白ければ生徒たちも乗ってくるだろう。我が校の知られざる教訓の4番目は「ノリよく楽しく!」だぞ?」


そんな教訓初めて聞きましたよ!
マジっすか、どんだけ不真面目な学校っすか!!


てゆーか、これ。まじっすか?
ようやく仲良くなった生徒会メンバーを離れ離れにしてしまうのですか?
なんて残酷な!
人見知りの副会長さん(男)と打ち解けるのにどんだけ苦労したか…っ!


「とりあえず、今から全生徒から希望者を集めないさい。
以上!そろそろ退職したい校長、50歳からでしたー」

ハイ帰る帰るー、と校長室を追い出された俺、滝夜、栗原さん。
……どこからつっこもう。
あー、なんかもういーや。めんどくさい。つっこむの止め。疲れた。


「さっすが俺の親父だ!ノリが良い!!よし、瞬。俺は言わなくても分かるよな?副会長立候補だからー」


「理玖が副会長になるなら、私も生徒会に入るぅ!虫、私は書記に立候補だ。絶対に勝たせろよ」


「えっと、栗原さん?貴女はこの学校の生徒じゃありませんよね?あと、絶対勝たせろって無理っすからね!?そんな権限ないっすからね!!?」


「よし、なら私はこの学校の生徒になればいいんだな。
理玖ぅ、お父様に頼んできてぇ?」



……結局、どーなるんだ、これ?
え、やるの?
俺も生徒会長から落ちる危険あるんじゃ…

あ、栗原さん校長室入ってっちゃったし。
てゆーか、滝夜の父さんなの、校長先生?
どんな展開よ、これ。
展開早すぎなんだぜぃ。
…はぁ。






その日の夜。
滝夜はご機嫌で顔をチェックし、栗原さんはパソコンで字の上手くなる方法を徹夜して調べ。
俺は自室に籠って、まるで受験生のように勉強した。らしい。