「おはよ、琉生!はい、これ!」


翌朝、教室に入ってきた琉生に昨日作ったトリュフを渡す。


「ありがと!!なんか本命みたい!」

「本命だもの♪」

「凛李愛〜愛してる〜!!!」


ガシッとあたしに抱きつく琉生。


「篠宮くん!あの、これよかったら…」

「…どうも」


そんな時、廊下から聞こえた会話。

篠宮 莉央…?

次の瞬間には教室のドアが開いて篠宮 莉央が入ってきた。


「…おはよ」

「お、おはよ…」


あたしを見つけ、話しかけてくれたのはいいんだけど…


「チョコ、貰ったのね…」


篠宮 莉央の両手にはたくさんの紙袋がかかっていた。


「あぁ、まぁお前がいるから去年より少ないけど」

「…そう」

「お前もチョコ、あるんだろ?受け取ってやるから出せよ」


…ブチッ


「あんたにあげるチョコなんてないわよッ!!」


突然の大声にポカンとしている篠宮 莉央を置いてあたしは自分の席についた。

なんなのあの言い方!

ほんっと上から目線!!

上から目線なのはいつものことだけど…

それでも!

何様のつもりよ!?

それに…

他の子からチョコ貰ってた…

あんなにあっさり受け取っちゃうのね…

あたしがいてもなんの躊躇もなく、当たり前のように受け取るのね…