放課後、いつものように琉生の席に向かう。


「琉生、帰るわよ」

「おぅ!あ、でも篠宮と帰るんじゃないの?」

「え?篠宮 莉央と…?」


そっか!

恋人同士は一緒に帰るのが鉄則だったわ!!


「ごめん琉生…」

「気にすんなって〜!じゃあちゃんと篠宮に家まで送ってもらうんだよ?」

「うん!じゃあまた明日ね」


琉生が帰り、あたしは篠宮 莉央の席に向かった。


「…まだ帰らないの?」

「もう帰るけど。沢村は?」

「先に帰ったわ」

「ふーん、珍しいな」

「莉央〜、帰ろうぜ〜」

「あぁ」

「あ、凛李愛ちゃん今日は珍しく琉生ちゃんと帰らないんだね?」

「えぇ、まぁ…」


あれ…?

なんで2人してそんなこと聞いてくるの?

だってあたしは今日から篠宮 莉央と一緒に帰るんだから…


「ばいばい凛李愛ちゃん」

「じゃあな、気をつけて帰れよ」

「え…?」


当然のようにあたしを置いて帰る2人の背中。


ちょっと待ってよ…

確かに篠宮 莉央の家はあたしの家と反対方向にあるけれど…

でも付き合いたての彼女を家まで送るのは当然なんじゃないの?

恋人同士は一緒に帰るのが鉄則って…

違うの?

あたしの考えがおかしいの…?



仕方なく1人トボトボと帰るあたし。

こんなことになるなら琉生と一緒に帰ればよかったわ!!



その日、篠宮 莉央から連絡はなかった。

LINEはあたしが最後に送ったものが既読になってるだけ。

恋人同士ってこまめに連絡取り合うものじゃないの!?