[莉央side]

「ねぇ、どこに行くの?」


電車に揺られながら凛李愛が聞いてくる。


「着いてからのお楽しみ」


そう言って着いた場所は…


「ネズミの国!?」


凛李愛の瞳が輝き出した。

やっぱ女子ってネズミの国好きなんだな。


「あたしチケット買ってくるわ」

「あぁ、チケットならもうある」

「え?そうなの?じゃあお金…」

「いらない。チケット貰い物だから」

「そう?ならいいけど…」


…まぁ嘘だけど。


「クリスマスだけど平日だからあんまり混んでないわね」

「よかったじゃねぇか。お前人混み嫌いだし」

「そうね♪あ、耳…」

「耳?」


凛李愛の視線の先を見るとネズミの耳をモチーフにしたカチューシャがずらりと並んだ店。

そういえばネズミの国にいる客はほとんどがこのカチューシャつけてるよな…

凛李愛はその店に吸い寄せられるように入って行く。


「ねぇ!ちょっと!」

「なんだよ…」

「これ!つけてみて!」


そう言って俺の頭につけたカチューシャ。


「ふふっ♪案外似合ってるわよ」

「…嬉しくねぇ。んじゃお前はこれな」


そう言って凛李愛の頭にもカチューシャをつけた。


「どう?似合う?」


そう言ってニカっと笑った凛李愛はめちゃくちゃ可愛かった。


「…まぁ似合ってんじゃね?それでいいの?」

「え…買うの?」

「欲しいんだろ?買ってくるからよこせ」

「あ、ありがと…」


カチューシャを買って凛李愛につけてやる。


「ふふっ♪なんかデートみたいね」

「デートなんじゃないの」

「え…?」

「デートらしく手でも繋いどく?」

「あ、う…仕方ないわね////」

「素直になれよ」


そう言って凛李愛の手を握った。


「まず何乗る?」

「ジェットコースターがいい!」

「乗れるんだ?」

「余裕よ♪」


そう言った凛李愛はほんとにジェットコースターに強いらしく、パーク内のジェットコースターを全て制覇した。