俺様VSお嬢様

[莉央side]

1時間後くらいに凛李愛が風呂場から出てきた。

凛李愛がリビングに入った瞬間、シャンプーのいい匂いが部屋中に広まった。


「次は…篠宮 莉央?」


凛李愛の頬は薄っすらと火照っていて、髪はまだしっとりと濡れている。


「えー、俺がいいー!」

「カナは1番最後っつったよな?」

「ちぇっ」

「じゃあ風呂、借りるわ」

「いってらー!」

「カナ、手出すなよ」

「わかってるって…」


寝ている沢村に風呂上がりの凛李愛、2人の女の中に男1人。

俺はカナに念を押しておいた。



そして今、俺は1人で入るには大きすぎるくらいの浴槽に1人、浸かっている。

風呂には白い入浴剤が入っていて、花びらまで浮いている。

あいつ毎日こんな風呂に入ってんのか…

てかこの風呂、あいつが入った後なんだよな…


「……」


…余計なことは考えないようにしよう。

邪念を取り払うため湯船から出てシャワーを頭から浴びる。


そして俺は風呂場から出る頃には全身凛李愛と同じ香りになっていた。

…落ち着かねぇ。