「はぁ…はぁ…」
腕を引かれ走って辿り着いた場所は…
空き教室?
誰もいない使われていない教室だった。
「…で?なんでいきなり走った訳?」
「カナがいたんだよ」
「奏汰?」
「俺たちのこと探してた。店に連れ戻す気なんだろ」
「え…戻った方がよくない?」
篠宮 莉央と抜け出して1時間はたった。
普通の生徒より休憩時間はかなり短いけどあたしたちにしかできないことだから仕方ないわよね…
この1時間、篠宮 莉央と学園内を回れてすごく楽しかった…
「…まだ」
「え?」
「もう少ししたら戻るから…もうちょっとだけ休憩」
そう言って掴んでいたあたしの腕を引き寄せて…
「ちょっ///」
もう何度目かの篠宮 莉央の腕の中。
「なぁ、キスして?」
「はぁ!?」
「お前今俺の専属メイドだからなんでも言うこと聞けよ」
「意味がわからないのだけど…」
「早く。ほら、なんて言うの?」
そんな意地悪な顔で見ないでよ///
「か…かしこまりました、ご、しゅじんさま…///」
そう言って篠宮 莉央の頬に軽く口をつけた。
うぅ〜////
恥ずかしい…!!!
「そこじゃねぇだろ…」
「ぇ?」
「主人の期待を裏切った出来損ないのメイドにお仕置き」
「んぅっ!」
え?え!?
何よこれ!!!
頭の後ろに回された手。
強引に口づけられた唇。
隙間から入ってきた舌。
ちゅくちゅく響く音。
頭、クラクラする…
「ぃや…」
離れようとしても頭の後ろに手を回されているため離れられない。
絡めたり吸いつかれたりする舌に頭が追いつかなくて…
「んン…ゃあ…」
なんか変な声出るし!!!
意味わかんない意味わかんない意味わかんない!!!!!
「ふ…ぁ、ン…アッ!」
「ぅわッ…」
がたんっ
「ったー…」
「ご、ごめん…///」
立ってられなくて篠宮 莉央を押し倒す形になってしまったあたし。
「ふっ…腰でも抜かした?」
意地悪に笑いながら言う篠宮 莉央。
「そ、そんなこと…ッ!」
あれ…?
起き上がろうとしても起きないあたしの身体。
「????」
なんで起きないのよ!?

