「でもね、瑠璃…あたしは、もう大丈夫なの。」 実都が、少し微笑みながらいう。 「あたし、忘れないよ。トモのこと。でも、忘れるっていう勇気の形もあると思うんだ。」 実都、なんで? なんで、あんたは… 「そんなに強いの?」 あたしなんかより、 何倍も何倍も強い。 「強くなんかないよ。あたし、弱いの…弱すぎるの。なんにもできなくて、1人で逃げて…。ただ、気づかされたの。」 涙をぐっと、こらえながら、 少し震えた声で話す。 気づかされた…?