ぎゅっ。 俺は優しく実都を抱きしめた。 実都…。わかってる。 全部兄貴のためにしてくれたんだよな。 ありがとな。 …っっ! 実都が抱きしめ返してきた。 「う、…ぐす。うっうっ…。」 「俺はずっといるから。」 それから、実都は俺に兄貴とのことを 話してくれたときより、 泣いた。 俺は、ただただ抱き締め続けた。 俺は、実都を救えたのか? 俺は、実都を『過去』から救えたのか?