私は静かに頷く。
「お前は、『過去』から卒業しなきゃいけないんだよ。お前はちゃんと『今』をいきなきゃならない。」
それってトモから卒業しろってこと?
「あたし…トモのこと忘れたくないし、忘れられない!卒業なんかしちゃダメなんだよ!あたしは…あたしは…。
「兄貴のこと殺したってか?」
「え…。」
「兄貴がそんなこと、望んでると思うか?お前がそうやって、『今』と向き合わずに『過去』ばっかりに逃げてること、兄貴は喜んでいると思うか?」
トモが…?
「トモはきっと…あたしを憎んだりしてない。優しいから。でも、トモが許したとしても、あたしはあたしを許せないの!」
そう、たとえトモが許してくれていても、
私は自分を許せない。
