君に出会った意味


午前3時。

実都は泣きながら、

言葉をつまらせながら

兄貴との過去を語った。

それは想像した以上に辛い話だった。

幸せだった兄貴との毎日。

それを壊したのは自分の一言で。

「あたしが…あたしが…悪いの。あたしが我慢してれば。あたしが…ストーカーに気づいていれば。あたしがいつも通りに登校してれば。」

「トモは死なずにすんだ。」

実都は自分を必要以上にせめてる。

なんでそんなに自分を…。

「実都…そんなに自分をせめるなよ…。」

「だって…自分をせめなきゃ、誰をせめるの!?自分をせめつづけなきゃ、みんなに顔向けできないよ!あたしは…トモをみんなから奪ったんだよ?奏斗からトモを奪ったの。もっとあたしをせめてよ!なんで優しくするの?なんでよ…。」

ポロポロと涙をこぼす実都。