兄貴が死んだことは 父さんからの電話で知った。 兄貴の携帯に俺の携番があったから 連絡したそうだ。 もちろん、俺は葬式にいくつもりだった。 でも、母さんにとめられた。 「いかないで!友久はあの日から私の子ぢゃあないの…。私のことを裏切った、あの人の子なの!わかるでしょ?奏斗…。」 母さんが泣きながら俺にしがみつく。 「わかったよ…。」 あの日と同じ。 俺は、母さんを困らせたくないんだ…。