大学病院を経営している父親。
ロンドンの育ちの母親。
アメリカの南関大学に通う
才色兼備の姉。


私はその家庭に生まれた
平凡で質素な女の子、
翔堂院れら。


1人だけ肩書きが真っ白で
血縁関係があるとは
思えないぐらい
鈍臭い末っ子です。

ただの愛嬌の固まり…。
取り柄は元気と明るさだけ。
一家の恥。失敗作。

そんなレッテルを張られて
今まで生きてきた。









大体、あたしの性格は
分かってくれたかな?

つまり豪邸に住む、
みにくいアヒルの子。





「れらー!
今から蓮田ん家行くけど、
れらは?」

「あたしはいいや!
今日は放課後図書館行くの」

「そーっか…。
ウチもいるし、蓮田と安曇と
未来もいるから、
暇になったらおいでね!」

「ありがとう、結衣」





学校帰りに図書館に寄る。
勉強しないと、学校の授業、
ついていけないから。