「えっ!?柊くん濡れちゃうよ!?」
「構わねーよ。それに、こっから近ぇし」
……さっきから思ってたけど、
「……今からどこ行くの?」
柊くんは私の家がどこにあるかとか知らないと思うし、
『ここから近い』って言っても、私の家までは電車と徒歩で30分はかかる。
あきらかに、私っちに行こうとしてないよね…?
「ん?俺んちだけど?」
当たり前だろ?と言う風にサラッと衝撃的な言葉を口にする柊くん。
「…えっ!!な、なんで!?いいよ、私帰るっ!」
柊くんちなんて……
いくら相手が友達だろうが、男の人の家に入るのは抵抗がある。
私は「下ろして」と言って足をジタバタさせるけど、
柊くんは小走りで、今から行くであろう柊くんの家に向かっていく。