校舎を出ると、雨がパラパラと降っていた。
今日の朝は、雲ひとつない晴天だったのに……。
どんよりとした黒い空を見上げると、思わずため息が出る。
「どーすっか?このまま歩いて帰ろうと思ったけど、雨降ってたらまた風邪ぶり返すしな」
えっ!?
お姫様だっこで帰ろうとしたの!?
そんなの…近所の人になに言われるかわからないし、
第一、恥ずかしすぎる。
「しょーがねぇから走って帰るか」
柊くんは一人納得したように頷くと、私を地面に下ろして、
「これ、かぶってろ」
自分が着ていたブレザーをパサッと私に被せた。