柊くんは私に気づくと立ち上がってこちらに向かってきた。
「あ~んっ!斗真ぁ!?」
「ちょっと行かないでよぉ!!」
周りにいた女子は柊くんを追いかけようとするけど、
「……うるせぇ」
「――っ……」
低い、圧のある声を聞いたら、みんな黙ってしまった。
「…宇津木」
「柊くん…」
柊くんは私の顔を見ると、クイッと口角をあげた。
「柊くん、良かったの…?女の子たち…」
ちらっと教室を見てみると、未だにこちらを睨んでいる。
……だからぁ、怖いって…。
そんなに見ないでよぉ…
「…別に、いい」
そっけなくそう言うと、私の頭をポンッと軽く叩いて、
「今日、旧校舎の図書室で勉強やろう。あそこなら誰も来ねぇから」
小声でそう囁いた。

