絶対ないって!!
『でも、どう考えるかは栞ちゃん次第だから』
雅也くんが電話口で、優しい声で言う。
私次第…か。
「……そうだよね。ありがとう」
『これからも斗真のことだったら何でも聞いて!』
じゃあね!といって雅也くんは電話を切った。
――“栞ちゃんに惚れてるんだよ、きっと”
一人になって、雅也くんに言われた言葉を思い出す。
柊くんが私に惚れてるなんて……
雅也くんはああやっていってるけど……
そんなこと、あるのかなぁ…
――“斗真にとって栞ちゃんは特別なんじゃないかな?”
……そんなわけ、ないよ…。
結局その日は柊くんのことで頭がいっぱいだった。

