『――あんたたちが帰った後にそんなことがあったのね……』
数分後、電話に出たマリナに今日あった出来事を大まかに話した。
ちなみに、おでこにキスされたことはマリナに言っていない……
なんとなく恥ずかしくて話せなかったのだ……
『ていうか、なんで勉強することになったわけ?』
「…柊くんが『教えてやる』って言ったから。断れないし、頭いい人に教えてもらうことなんて滅多にないし……」
『……で、なーんか知らないけど、タメで話すことになったわけね』
「そうなの……」
それについては、柊くんの気まぐれだと思うけど……
『うーん……。あっ、ちょっと待ってて?』
マリナはふと何かに気付いたようで、電話口から離れた。
『――あ、栞ちゃん?』
しばらくの沈黙のあと再び電話口に出たのは雅也くんだった。
「雅也くん!?どうして…」
『今日マリナ俺んちに泊まるって言ってるからさ♪』
あ、そうなの…
ていうか、語尾に“♪”つけられても……
『で、マリナに聞いたよ?斗真とのこと』

