「…ただいま」
「おかえり。ご飯出来てるわよー」
リビングのドアを開けると、お母さんがキッチンで夕飯の支度をしていた。
部屋中に漂うカレーの匂い。
「ありがとう…でも先に勉強やるよ」
「わかったわ。先に食べてるから、栞も早く食べちゃいなさいよ」
そう言いながら忙しそうに動くお母さんに二つ返事をして、二階の自分の部屋に向かう。
部屋についてベットにドサッとダイブしたとき、ポケットに入っていた携帯が震えた。
液晶を見ると、そこには【マリナ】とかいてあって。
そういえば今日電話するって言ってたっけ…
そんなことを思いながら私はマリナからの電話に急いで出た。

