「お前だから振り返んなかったんだよ」
そう言いつつも、隣にいる女の視線に気になって、
チラッとそいつの顔を見る。
なんか…
髪も長げーし背も高けーし。
この目力…半端ねーし。
気ぃ強そうな女だな。
雅也の女か?
「あ、斗真。こいつ俺のカノジョ。藤岡マリナっつーの」
そんな俺の心を見透かしたみたいに、
その女の肩を抱き寄せてそう言った雅也。
「…どーも」
そんな行為を嫌がる素振りも見せずに、淡々と挨拶をする女。
無愛想…ときたか。
「で、こいつが斗真っつーの。俺の親友♪」
ニヤニヤと気持ち悪い笑みを見せながら俺を紹介する雅也。
「誰がお前と親友だ。気持ち悪ぃ」
俺はそいつの首に巻いてあるマフラーを、グイッと引っ張ってやった。

