私は、届いたテスト用紙を裏にして後ろの人に渡した。



みんなの元にテスト用紙が渡ったのを確認した先生の
「始め!」という声と同時に、テスト用紙を裏返す音が周りから聞こえる。



私もゆっくりと、テスト用紙を裏返す。


う゛~…



わかんない…。



こんなことなら昨日帰ったらすぐ勉強やるべきだった…。



数十分後、予想通り全然埋まらないテスト用紙を机の隅に寄せると、
頬杖をついて窓の外を眺めた。



雲一つない真っ青な空。



グランドには誰もいない。



――あ、今日○○の雑誌の発売日だ。



駅前に新しくクレープ屋さんが出来たって言ってたなぁ。



そんなことをぼんやりと考えていると、あっという間に50分は過ぎて、
私はほぼ白紙のテスト用紙を教卓に出した。



「栞。どうだった?……その顔からすると、アレだったのね」



……アレってなによ。


まぁ予想通りほぼ白紙ですけどね。