【side 斗真】






今から少し前の、



雪の降る、寒い冬のこと。



俺は、そいつを見つけた。




――――

――


「俺カノジョ出来たんだー」


ある日。


雅也の家で雑誌を読んでいた中3の俺は、テレビゲームをしている雅也の声に、



「…あ、そう」


テキトーな返事をするしかなかった。



「“あ、そう”ってなんだよ。おめでとうの一言も言えねーのか」


「おめでとう」


「思いっきり棒読みなんですけど」


「あ、しくった」と悔しそうな声を出した雅也は、


コントローラーを床になげた。