「……まだ来ねぇのかよ」


さすがにもう来てるだろうと、向かった図書室。


でも、そこには栞の姿がなかった。



…どこいった?アイツ…。



待ちきれなくなった俺は、携帯を取りだして栞に電話をかけた。




――プルルルルル、プルルルルル



着信を知らせる音がもどかしい。



『……もしもし…』


5コール目でやっと電話に出た栞。


「――栞。お前今どこにいんだよ」



不機嫌そうにそう言っても、栞は平然と「職員室」と答える。



でも心なしか、声が震えていた。



なぜか、わかんねーけど。