私、柊くんにドキドキしすぎだよ…
そんな事を考えてる間にも、柊くんのノートや教科書は机の上に広げられていて。
私もそれに気付き、急いでノートや教科書を開ける。
「じゃあ、宇津木の苦手な化学反応からやるか」
――“宇津木”
柊くんに名前を呼ばれると、胸がギュッて掴まれるような感覚になって。
少しだけ息が苦しくなる。
「…どうした?」
そんな私の様子に気付いた柊くんは声を掛けてきてくれる。
私は「なんでもないですっ」と笑顔も作ると、筆箱からシャープペンを取り出した。
隣にこんなカッコいい人がいるから緊張しているんだ…
うん、きっとそうだ。