「ごめ…ん。今日は先帰ってて…」


『は?なんでだよ』


「ちょっと今先生に呼ばれてて…話し長くなりそうだから」


『職員室にいんのか?だったら迎えに――…』



「いいから帰っててッ!!!」



…完璧な八つ当たりだ。


でも今斗真と一緒に帰ったら……斗真の顔を見た途端、泣いてしまいそうだから。



斗真には、心配かけたくない……。



『……チッ。わかったよ。先帰ってりゃいいんだろ』



電話口の斗真はさっきよりも不機嫌になって、「じゃあな」と勝手に電話を切ってしまった。



私は携帯をポケットにしまうと、はぁ…とため息をついた。



呼吸をする度に痛くなる腹。



動く度にズキズキとなる腕や足。