立ち上がろうと力を入れると、殴られた傷が痛む。
痛い……ッ
もう一度床に腰を下ろして、壁によりかかる。
――ブーッ、ブーッ
その時、制服のポケットに入っていた携帯が震えた。
画面を見ると、そこには『斗真』と映されていて。
一瞬出るのを躊躇ったけど、出ないのもおかしいと思われるから、画面をタッチして携帯を耳に当てた。
「……もしもし…」
『――栞?お前今どこにいんだよ。教室にも居ないじゃねーか』
電話に出た斗真は少し怒ってるようで。
必死に探してくれたのか、息が荒くて。
そんな斗真に罪悪感を感じてしまった。

