「私達の斗真を独り占めするなんて、いい度胸してんじゃん」
佐倉先輩が静かに歩み寄ってくる。
さっきとは違う雰囲気が漂っている。
――怖い……ッ
私の目の前まで迫ってきた佐倉先輩は、胸ぐらをつかんできて
「今ここで殴られたくないなら、斗真と別れな」
低い声でそう言ってきた。
「――…ッ…!!」
首を絞められたみたいに、息ができない。
だけどか細い声で、佐倉先輩にこう言った。
「……斗真は、私の彼氏だから…ッ!斗真のこと大好きだからっ、先輩がなんと言おうと…っ、私は絶対別れないッ……!!」
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