―――― ―― 「宇津木さん。先輩が呼んでるよ?」 ――放課後 いつも通り過ごしてきて、斗真と帰ろうと支度をしていたとき。 いつもは話しかけてこないクラスメイトの前島さんが私に話しかけてきた。 「…先輩って誰?」 「佐倉(サクラ)先輩って言うらしいんだけど…。知り合いじゃないの?」 佐倉先輩……? って誰?? 入学したての私には知り合いの先輩なんていない。 普通ならおかしいって思うけど。 「わかった。ありがとう」 私は何も疑わずに、教室の外で待っているであろう佐倉先輩のもとへ行った。