私、理数系は本当に無理なんだよなぁ…
理科は明日だから今日勉強すればなんとかなるけどさ。
「すーうーがーくーがぁ~!!!」
キンコーン
キンコーン
「あ、チャイム鳴った。栞、席ついて」
ゔ……
やばいどうしよ……
チャイムが鳴ったと同時に、クラスの皆はそれぞれの席につく。
私も渋々自分の席について、余裕そうな表情をしているマリナの顔をちらっと見つめ、
はぁ…と大きいため息をつく。
マリナは学年でも1位2位を争うほどの秀才。
顔も整ってるし、スタイルもいいし、頭もいいし。
毎日と言ってもいいほどマリナは告白されている。
そんなマリナは私の親友でもあり、憧れの存在でもある。
たまーに、毒舌吐くけどね。
「テスト用紙を配る。合図があるまで裏返しにしておけ」
少し遅れて教室に入ってきた先生はそう言って、列ごとにテスト用紙を配布する。
みんなはその瞬間がいつもドキドキするとか言っていたけど、
私はそんな気持ちは微塵(ミジン)もない。
いつもボーッとしてるか、窓の外を見ているだけ。