【09072…】 それでもしつこく鳴り続ける携帯。 出たほうがいいのかな…。 ふいにそう思った私は画面をタッチして携帯を耳に当てた。 「――もしもし…?」 『……あ、栞?俺、郁也だけど…』 郁也ッ!?!? なんで郁也が……!? 『藤岡に栞の番号聞いてさ。……急に悪かったな…?』 そういえばマリナも言ってたっけ…。 「んーん?大丈夫だよ」 ……大丈夫だけど。 郁也が私を好きなんだって自覚しちゃうと、 胸がズキズキしちゃうよ……。