それに、帰り際に聞いた、あの言葉。 『――俺も栞のこと好きだから』 斗真が私を好きって言ってくれて。 思い出すだけでも、顔がニヤけちゃうよ……。 そんな感情に入り浸っていたとき。 ――♪~♪~♪~♪ 聞き慣れた着信音が部屋に響いた。 【09072…】 画面を見ると、登録していない番号が映し出されていて。 ……誰? 誰だかわからないから、無視し続けていた。