【side 栞】
あのあと4人で旧校舎を出た。
いつもはマリナと帰ってるけど気を利かせてくれて、斗真と帰ることになった。
校舎を出たときは、辺りはオレンジ色に染まっていて。
「送ってく」
そう言って私の手を優しく包む、斗真の手。
私の指に自分の指を絡めてくる。
「え……いいょ、別に」
「ダメ。襲われたらどうすんだよ?」
…襲われることなんて、ないのに…。
――なんて思いながらも、私を心配してくれる斗真に嬉しくなって、ドキドキして。
繋いだ手が、急に熱を帯びた。
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