「お前、ここだろ」 柊くんの長い人差し指が伸びてきて、“宇津木栞”と書いてある番号を指さす。 その番号は誰が見ても決していい順位ではなくて。 私は何も言えず俯いた。 「宇津木って変わってる苗字だと思って、覚えといた」 さらりと柊くんはそう言うが、その言葉は私の耳に届いてなくて。 恥ずかしさのあまり、顔が真っ赤になるのがわかった。 しばらく俯いて黙ってると、柊くんがおもむろに口を開くと、とんでもないことを言ってきた。