「――ちょっとぉ…雅也のせいで見えないっ!」 「俺も丁度本棚で見えないのっ!さっきまでいい感じの雰囲気だったのに…」 聞き覚えのあるふたつの声。 “雅也”という名前。 ――まさか。 「てめぇら、そこでコソコソなにやってんだよ?」 斗真は鋭い目をドアに向けたまま、低い声で誰かにしゃべりかける。 それを聞いたとたん、ドアのところでガタガタッと音がして。 斗真は追い討ちをかけるように、 「誰だか知ってんだよ、雅也と藤岡。さっさと出てこい」 呆れたような声で呟いた。