さっきと同じように素っ気なくそう言う柊くん。
柊くんも勉強するなら仕方ないかぁ……。
そう思いながら柊くんの後に少し俯きながら黙ってついて行く。
そして、そのほんの数秒後。
「――宇津木ってさ、勉強苦手だろ」
柊くんがそう口にした。
その声は低く、よく通っていて、すぐ隣にいた私はばっちり聞こえていたけど。
「……え?」
びっくりした私は顔を上げて勢いでそう応えてしまった。
今、柊くん喋りかけてくれた……?
びっくりして思わず聞き返しちゃったよ……。
ていうか、私の名前覚えててくれたんだ。
少しだけ柊くんに感激していると。
柊くんは急に立ち止まって。
私の腕を離すと、鞄の中をごそごそと掻き回し何かを探してるようだった。

