【side 栞】 「――んん…っ」 寝返りを打ったときに何かに当たり、私は目を覚ました。 徐々にはっきりしてくる視界。 見慣れない天井。 いつもと違うベット。 ふかふかの布団。 ――ここ、柊くんの家だよね…? たしか、雨の中ここまでお姫さまだっこされて… お風呂まで貸してもらっちゃって…… で、雷がきて停電して…… その後は…… ………… ダメだ…… 思い出すだけで顔が熱くなる。