【side 斗真】
目の前ですやすやと気持ちよさそうに寝てるあいつ。
口を少しだけ開けて、規則正しい寝息をたてる。
俺はそいつのまだ湿っている髪をゆっくりと撫でる。
『――斗真…』
あいつの震えてる声が頭の中で繰り返される。
男に押し倒された後によく寝れるよな。
ほんと、無防備すぎ。
乱れたバスローブから、ちょっとだけ見えてる淡いピンクのブラ。
白くて細い足は丸見えだし。
熱があるせいで顔が赤い。
――こいつ、マジで俺に襲われてぇのか…?
無自覚とか無防備とか、怖すぎだろ。
俺はその綺麗な形をした唇にキスしたい衝動をぐっと堪えて。
栞にそっと布団をかける。