「なっ……」
なにその選択っ…!
そんなの、どっちも無理に決まってんじゃん…
「早くしねーと、本気で襲うよ?」
耳に口を寄せて囁いたあと、耳を甘噛みした。
「あ……っ」
身体がピクンと跳ねる。
出したくもない声が口から出てしまう。
「“斗真”って言ってみ?」
誘惑するような瞳で私を見つめる。
『郁也』は全然呼べるのに、『斗真』は呼べない。
胸の奥がギュッってなって、喉から声が出ない。
「と……ま…っ」
「…聞こえないよ?」
やっと“斗真”って言ったのに、柊くんは私を離してはくれない。
意地悪く笑うと「もう一回」って囁くんだ。

