「栞は、俺から逃れたいの?」 柊くんの意地悪くて甘い声が私の身体の芯までも震わせる。 吐息が頬にかかり、そこからだんだんと溶けてしまいそう。 私はなにも出来なくて、ただ柊くんを見つめてるだけ。 「それとも、逃れたくないの?」 柊くんのその表情が、声が、私を狂わす。 真っ直ぐな瞳が私を捕らえて、身体が硬直する。 動いているのは私の心臓だけ。