ど、どういう状況……?
今の自分の状況が飲み込めなくて、頭がぼーっとする。
自分が押し倒されていると気付くのに、大分時間がかかった。
「栞」
目の前に柊くんの顔があって、私の心臓は大きく跳ねる。
「や……柊くん…?」
下から見る柊くんの瞳は、暗いブラウン色をしていて。
いつもよりも艶っぽく、妖しく光っている。
柊くんは私の上に馬乗りになると、私の顔の横に片手をついて自分の身体を支える。
そして私の両手を意図も簡単に片手で押さえると、頭の上に持っていった。
私は身動きが取れなくなって、柊くんから逃れようと身体をよじったりしても、
男の人の力には敵わない。
「逃げたきゃ自分の力で逃げてみろよ」
柊くんはそんな私を見て不敵な笑みを浮かべると、
静かに顔を近付けてきた。
「これくらいの力、誰でも簡単に振り切れるけど?」
柊くんの長い、茶色い前髪が私の目に掛かる。
それがくすぐったくて、私は瞼を落とす。

