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――
チャポン…
「……はぁ…」
広いバスルームに、お湯が波打つ音と私のため息が響く。
あれからすぐに古河井さんが部屋に来て、『栞が先に入れ』と言う柊くんに従ってバスルームまで連れてってもらった。
バスルームも私の家とは比べ物にならないくらい広くて、
「これは差別なのか」と思うくらい切なくなってくる。
温泉みたいなお風呂にポツンといる私。
……一人になって冷静になると、さっきのことが鮮明に思い出される。
正直、あの時私は柊くんとのキスに溺れていた。
頭の中では柊くんのことしか考えられなかった。
キスした時の自分の甘い吐息と、
余裕な笑みを浮かべている柊くんを思い出したら、
今でも胸がドキドキする……
私は広いお風呂の片隅で小さく体育座りをして、心臓を落ち着かせる。
――キスされてるとき、反抗もなにも出来なくて。
あれくらいの力だったら、押し返すことができたのに……。
「はぁ~……」
モヤモヤしたこの気持ちがわからなくて、
もう一度、盛大なため息をつく。

