――やめてよ…… そんな顔で…そんな声で言わないで… 頭の中が柊くんのことでいっぱいになっちゃうから…… 「ダメだよ…柊くん……」 私は柊くんから目を逸らして、小さい声で呟く。 静かな部屋には雨の降る音と、テレビから聞こえるかすかな声だけで。 心臓の鼓動が柊くんに聞こえそう……。 長い沈黙のあと、先に口を開いたのは柊くんだった。 「……そんなこと言われても、無理だから」