グイッと腕を引っ張られ、私は倒れるように前のめりになる。
咄嗟に床に手をついたので倒れなかったけど、
柊くんの足に股がっている状態になっていた。
顔の距離はさっきよりもぐんと近くなって。
退こうとしたけど、柊くんは私の腕を掴んだまま離さない。
ひゃあ~っ!
どうしよぉ…
顔が近すぎだよ……
この状況と、顔の距離にパニックになり、顔に熱が帯びる。
「別に、嫌じゃねーし」
耳元でボソッと呟く柊くん。
その言葉でまた身体中が熱くなる。
――耳がすごく熱い……
多分私、耳まで真っ赤だ……
でも、恥ずかしさの反面、柊くんの言葉で少し安心する。
嫌じゃなかったんだ……
嬉しいな……
「ありがとう、柊くん」
私の口からはそんな言葉が漏れていた。
「…なんでお前が礼言うんだよ」
……自分でもそう思った。

