雨が降っているのも忘れて心の中で興奮する私をお姫様だっこしながら
庭を突っ切って豪邸の玄関に向かって走る柊くん。
「――まぁ!斗真様!!びしょびしょではないですか!!」
私たちを出迎えたのは、この家のお手伝いさんだった。
「古河井(コガイ)。悪ぃけど、こいつの分と俺の分のタオル持ってきてくんね?
あと、風呂も沸かしといて」
「かしこまりましたっ!!」
古河井さんと言われるその人は、急いだ足取りでどこかへ行ってしまった。
柊くんは、ふぅ…と一息つくと、スタスタと階段を登って、
一番奥にある部屋に入る。
一階にあったシャンデリアとか、有名な絵画に感心する間もなく、私は柊くんの部屋のソファーにゆっくりと下ろされる。

