『いずれにせよ、もう君はオレと離れることはできないよ』 「何でだよ?」 震える声で奴に尋ねる。 彼の手から、得体の知れない恐怖感が伝わってくる。 『だってさ……オレらは、二人で一人分だから』 「生憎だけど、お前みたいな奴なんてオレは知らない」 『君は知らなくても、オレは知ってるの』 「……」 同じ姿。 同じ声。 それなのに、もう一人の廉からは狂気染みた何かが溢れ出ていた。