* 廉はとある空間の中にいた。 足元には水が流れており、廉のズボンの裾を濡らす。 壁はなく、どこまでも薄暗い空間が続いていた。 「ここ……どこ?」 バシャバシャと歩く度に水がはね上がる。 ここから抜け出そうと歩くが、歩いても終わりが見えない。 そして、何も無い。 見えない檻に閉じ込められているような、そんな感じ。 「おーい!!」 声を出してみるも、自分の声が反響して虚しく響く。 廉は足を止めた。