「いや……」 小さく彼女が呟いた。 首を横に振り、涙目で廉を拒絶する。 「涙……?まだ意思があるのかしら」 リュカが怪訝そうな顔をする。 悪魔の魂に憑かれているとはいえ、本人の意思がある状態では刈る事ができない。 完全に乗っ取られてからで無いと、人間は鎌の衝撃に耐えられず死んでしまう。 「廉!まだその子は――」 「知らないよ。そんな事」 リュカの言葉を遮り、女子生徒を見据える。 リュカは苦々しく顔を歪めた。