慌てて後ろを振り向く。 廉の黒いローブが揺れた。 「何だ……コレ……」 声が掠れる。 廉の顔は驚愕の色で染まっていた。 五人くらいの人が、おぼつかない足取りで近寄ってきた。 今までこんな沢山の数、相手にしたことがない。 「とにかく、一人一人潰していくしか無いわね」 「そうだな」 「囲まれたらおしまいよ。そこだけは覚えておきなさい」 と言われつつも、既に囲まれている気がする。 背中を取られたら終わりだと分かっているが、上手い具合に身体が動いてくれない。