リュカは腰に手を当て、廉の鼻を思い切り蹴り上げた。 「いってぇ!!何すんだよ!」 「『何すんだよ!』じゃないわよ!もう少し他の事言ったらどうなの?」 「しょうがないだろー。考え事してたんだから」 口を尖らせながら、フードを被り直す。 そして、彼は歩みを進めた。 街を練り歩いているが、今日はまだ悪魔の気配がしない。 ここ最近立て続けに出ていただけあって、逆に何もないと不安になってくる。 「出ないなー」 「あら?飢えてるの?」