「切り傷……だね。また何でこんなところに?」 痛いところを突いてくる。 廉は苦笑いをしながら答えた。 「昨日、兄妹喧嘩しちゃってさ。妹のカッターが飛んできたんだよね」 「バイオレンスすぎない?危ないよ」 「分かってるんだけど、妹が反抗期中で……」 「壮絶な反抗期ね」 クスッと笑いながら、手際よく手当てを進めていく。 このような傷が増えれば、こんな言い訳では通じなくなってしまう。 色々と先行き不安な廉だった。