楓はともかくとして、女子に話し掛けられる事など滅多にない。 ましてや、蘭のような可憐な子はもっての他だ。 僅かながら、廉の胸が高鳴った。 「突然でごめんね?」 「いや、大丈夫だけど……何かあったの?」 「ううん、特には。顔、大丈夫かなーって」 「あぁ、コレ?」 廉は困ったように笑い、頬にあるガーゼを触った。 「大丈夫!何ともないから!」 「どうせ、喧嘩でもしたんでしょ?」